手をのばしたら届かないぎりぎりの世界

紅天

2012年03月25日 00:55

この一年は いやっつーほど

いろんーな自分と向き合うような、そんな一年だったな。

世界中でいろんなことがあって

日本中でいろんなことがあって

僕の半径5メートルの世界中でいろんなことがあって

そんで僕は びっくりするくらい なんにも作れなくなった。

それでも それでも 

はかなくも 

社会と リアルな世界と つながっていたいって望んじゃうから

その出口は やっぱり 作る事だった。

倒れそうな体を、クロッキー帳の上で鉛筆で支える感じ。

そんなして また 作り始めた。

そんで 作る人で良かったって 心から思った。

だって作る人はこんなして

「作れないでいた時間」すら 作る事で昇華できるんだ。

どんなことだって 全部 エネルギーに変えられるんだ。








この三つは、わりと早い段階で下絵はかけてたんだけど

最終的な図案に辿り着くまで、だいぶ迷子になった。

小さな頃 天井の木目や壁のしみが何かに見えてしまって

怖くなって眠れなくなった。

1回そんな風に見えちゃうと、もうそんなふうにしか見えなくて

それを中心に、放射状に周りの世界を勝手に作り出してしまう感じ。

あんなイメージの三点。

魚、鳥、猫、の順番。

猫のやつ、左後ろ足で耳を掻いてるとこ。

これなんだ?てパーツは、きっと後ろ足のひら、肉球です。

ま、あくまで木目だからね、どんなふうに見えてもらってもOKなんだけど。

で、周りに広がるのはこの子が見てる世界、そんで きっと僕が見てた世界。

なんだかね ずっと6歳児くらいの僕がちらついててさ、

かーちゃんと手つないで、デパートの屋上の小さな遊園地にいるの。

夕焼け空に浮かんでる、アドバルーンを見てる。

安心感とせつなさ。

うん、猫のやつはね あん時の自分に描かされたような感じだよ。

なんだかね、アドバルーンが大好きだったんだ。






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